貧乏な生活を送った種田山頭火、尾形放哉、富田木歩の代表句に鍋物を詠んだものは見当たらなかった。「なべ」の語が入ったものもあるが--。 一つあれば事足る鍋の米をとぐ 山頭火 大雪やあわれ痔を病む夜なべなりし 木歩 どうやら鍋物を楽しむ状況ではなさそうだ。放浪の俳人山頭火ともなれば、鍋物風といえば、せいぜい次の一句であろう。 何もかも雑炊として暖かく